第五回開催日:2014年8月22日(金)
第一部
プレゼン会
<プレゼン発表者とテーマ>
株式会社六甲商会 島田和典様
淡路シネフォト 木村幸一様
テーマ:淡路島を知る、淡路島を考える
第二部
参加者全員によるグループセッション
3グループに分かれて、「淡路島で今から着手出来るビジネス機会を考える」テーマにしたグループセッションを行い、その後グループごとに発表いただきます。
(ご参考:開催時のご案内文)
淡路島ってどんなところ?
くにうみの島とよばれ淡路島は神様が眠る地であると考えらていれる。
「面積」
南北53km東西22km周囲203km、面積はシンガポールとほぼ同じ。島の外周にきっちり道がついて観光地になっているのはモナコとマウイ島と淡路島のみと言われている。
「気候」
全島が瀬戸内海式気候で夏は非常に暑く冬は非常に寒い。住んでいると非常に季節感を感じることが出来る。昔は水の供給がなかなか出来なかったため、溜め池が非常に多く、兵庫県か43000のため池のうち23000が淡路島にある。
「海峡」
明石海峡、紀淡海峡、鳴門海峡などが周囲にある。
「人口」
人口 約13.7万 男性6.5万女性7.1万
世帯数53000増減率は全国平均0.7に対して淡路島は△4.9とまさに人口減少。
「人口割合」
15歳未満 1.7万/15~65歳 8.2万/65歳以上 4.5万(31%)
うち75歳以上が2.5万と少子高齢化がますます加速している
「消滅可能性自治体」
日本創世会議が発表した将来の人口推計で、淡路島三市が「消滅可能性都市」となっており、2040年には人口は9万を切ってくる。
「産業」
総生産4385億のうち、一次産業263億、二次産業1042億、三次産業3079億。
農業が盛んといいながらそこのウエイトはまだまだ低い
「農業算出」
平成18年 350億→減少気味 。現在農業では三毛作が増えており、米→レタス白菜→たまねぎ、から、米→レタス白菜→レタス、などのようにになって来ている
「タマネギ」
淡路と言えばタマネギというイメージだが後継者の高齢化、器具の部分、タマネギは重い(重労働)などの部分、価格の問題などでタマネギは減少気味。生産量は北海道、佐賀についで現在第三位。
「淡路牛」
乳業も減少気味。神戸ブランド神戸牛、その子牛は淡路からよく出ている。
現在飼育等60%は淡路から出ている。
JAさんによると今子牛の値段がすごい上がっていて他の子牛に比べ淡路の子牛は1.5倍から2倍くらいで取引されている。海外に子牛を出していく流れも出来つつある。淡路島牛丼、淡路島バーガーなどが有名。
「漁業」
いかなご、いわし、たこなどの漁獲が多く、くぎに、生シラス丼、たこ焼きが有名
淡路の場合それ以外にはも、由良のウニ、3年トラフグの養殖が盛ん。生シラス丼もいいが釜揚げという、ゆでたシラスもよく食べる。
「地場産業・製造業」
地場産業は手延べそうめん、線香、真珠核(真珠のもと)、淡路瓦が有名。
製造業は環境対応用のニカド電池、工作機械保持工具、コンベアの部品製造販売など。
「官民活動」
あわじ環境未来島構想
住民,NPO,企業、行政が一緒になって、命つながる持続する環境の島を目指し、暮らしを持続、エネルギーの持続、農と食物の持続の総合的な取り組みを進めている。
「身近では」
淡路島ロングライド150、2014JVAビーチバレーボール全国大会、ジェットスキーjjsba 決勝大会などが開催されている。
「レトロ、古民家、カフェ」
洲本地区では古い町並みを活かし、親しんで頂いてビジネスに繋げていく動きが行われている。また古い家をリノベーションして活用していく活動があり、古民家を再生したおしゃれなカフェが増えている。
「困っていることは」
「でも実はあまり困っていない」
治安よく、気候よく、食もおいしいし必要な物はインターネットで手に入る。
商売人の方は土地や資産を持っているのでなんとかやれている。
しかし不便を感じていないことが一番の危機。
人口は明らかに減って来ているがあまり心配していない。リアルに2040年に人口が半分に減るが全く実感がない。自分も含めて島民全体が危機感感じていないのではないか?と感じている。
「決して結論ではないが」
あわじの魅力を語る為にいろんな場、情報求め、様々な人に会い整理してみたが、そんな中で淡路島の魅力を一番知る必要があるのは我々島民ではなかったかと感じている。
誰かがしてくれるではなく、我々一人一人が魅力を感じて、生活をして、それを伝えていくことがに価値があるのではないかと感じている。そして人と人との交わりでビジネスは出来ていくかもしれないと感じている。
淡路島は阪神淡路大震災もあったが、ここでも人と人とのつながりで復興できたので、コミニケーションというか、つながりを語り魅力を発信することがこれからのビジネスに繋がっていくと感じている。
「少しだけビジネスになったことを紹介すると」
仕事は六甲商会につとめているのでOA機器の販売をしている。
淡路島を調べ、語って、伝えていくうちに食のセンターが出来る情報を得て、提案依頼を受けたり、独居老人を見守るシステムを考えたいと聞いたり、様々なビジネスのヒントになることがあった。
「最後に」
なぜとか思ったときに調べ行動するとビジネスのチャンスが近づいてくる。
淡路島を紹介するということでいろいろ調べると、全く知らないことがいっぱいあった。我々はビジネスを日々求めているが、もっと自分のこと、自分の街、自分の仕事の強みを知ることによって、ビジネスのチャンスが出来るかもしれない。
「阪神大震災の経験を次世代につなぐ」
最近の日本では災害がすごく多い。
そこで阪神淡路の時の経験を生かした、今私が取り組んでいる東北地方の震災の支援のことがニュースで紹介されましたので、これをちょっとニュースで見ていただきたいと思う。
映像を見てもらってあと少しだけ補足をしたいと思うので被災地の様子をしっかり映像で見て頂きたい。
「物資保管とビジネス」
被災地でいつも問題になるのは物資の保管の仕方。いろんな形の箱をどんどん積んでいくために、あの状態で箱に何が入っているか書いてあっても、欲しい物があったときに上の物を取らないと下の物が取れない。それだけボランティアに手間がかかる。
淡路島の場合に何をしたかというと、救援物資を淡路に集め、体育館をお借りして集まった物資を仕分けする。例えば下着一つとっても、男性用、女性用、パンツ、靴下など様々なアイテムがあるので、一つの箱に一つのアイテムでまとめる仕分けをした。
また支援物資を運ぶ際には箱が大き過ぎると重くて持てない。トラックから荷物を降ろす時にはリレーで下ろすので、箱が小さく一人で持てるサイズだとスムーズに運べる。そこで一つのビジネスチャンスは災害の際に送る箱は統一するということ。災害用の箱を大中小を規格を統一して作るんですよ。
それは行政で持っておいて、災害のあった際にはその箱を使えば現場は混乱せずスムーズに作業が進む。こんな段ボールたった一つのことで動きが違う。ボランティアの負担も全然違う。できれば縦長の箱を横向きにおき箱自体が棚になるようにする。そしてフタに入っているアイテム名を書けば何が入っているかもすぐ分かる。
またその箱が堅い物だと棚にもなるし、仮設住宅が出来たときには、一時的な家財道具の代わりにもなる。
支援物資を段ボールで送るとその段ボールはそのままにしていると大量のゴミにもなってしまう。なので荷物を送った後も使える段ボールを考えていくことも重要。
「段ボール再生」
またもう一つのビジネスチャンスは、物資を下ろした再利用出来ない段ボールは荷物を降ろしたトラックに積み込み、帰る道中で段ボールの再生業者に持ち運べばトラックを空で返さなくてすむ。そうすることにより現地でもゴミは減り、トラックは無駄無く使え、誰も損をせずに支援が出来る。
こういう話をするとなるほどと思うが、災害は今に始まった事ではないにもかかわらずそのシステムが出来ていない。本当にもったいないと思う。その中に様々なビジネスチャンスもあるだろうし、本当の意味でお互いを助け合えるというのが出てくると思う。
「支援とは何かというと」
一番いいのはやはり経済支援。例えば仮設住宅が出来る。その際にメーカーからテレビや洗濯機が送られてくる。もらった人は当然すごくうれしいが、その周辺には必ず電気屋があり営業している。
仮設住宅の件数だけテレビや洗濯機が送られればその数だけ物が売れなくなる。
そこで復興でがんばってくれと言われてがんばれますか?
地元の電気屋さんからすればちょっと故障したから見てくれとか、使い方が分からないから来てくれとか、本業でのボランティアを行うことになってしまう。
本当の意味での支援はその地域が経済的に立ち上がれる支援をこちらから送ること。
「支援を継続する重要性」
映像の中にあったお豆腐の話ですけど、毎月12日に豆腐を買い上げ仮設住宅に全戸配布している。そのお金を淡路から送っていて、今でもその活動は続いている。
皆様に義援金の話をすると、義援金に協力した方は多数いますが、まだまだ被災地の様子は変わらず、東北だけでなく様々な場所で復興は続いているので、出来る範囲でいいが、一回二回だけで無く、出来ることをする気持ちを持ち続けて頂ければと思う。
誰もがいつ支援される側に回るか分からない。過去のことから学び、より高い水準の支援を考く必要があると思う。そして人間関係を作っていきながら、本当の意味で言いにくいことも言っていける様な支援が重要である。当然官民あわせての支援が必要だが、行政が出来ない部分は我々が出来る範囲でいいから力を合わせ支援を行いたいと思う。
「淡路島の溜め池の歴史」
淡路島にため池が23000もあるのは、大きい川が無いため過去我々の先人は農業するにあたってわざわざ水を溜めた。川が無いのも関わらず淡路島は御食国と言われ、天皇家などに貢ぎ物をする大きな食材の一つとして認められていた。
つまり23000のため池は、川も無い、水も無いところで、山をけずり池を作り、そこに水をためて農業を行った、我々先祖の汗と涙であり努力の結晶であり、それを一つ一つ積み重ねた結果、様々な野菜や作物が出来るようになった。
ため池は経年により底にヘドロが溜まってしまい、ため池としての能力が落ちてくるので定期的に清掃が必要。清掃と言っても底に溜まったヘドロを海へ流すたけである。昔は海にヘドロを流すので漁協の人が怒るし、世間も綺麗な海を汚してと文句を言う。
ところが水害や台風が起きた後、実は漁獲量が増える。淡路では海苔の養殖もやっているが海苔の質も良くなるんですよ。分かって来たのはため池に溜まったヘドロが海の栄養源になる。
綺麗な海も大事ですけど本当は栄養豊かな海が大事であり、漁業者が農業者が林業者だけの問題だけではなく、お互いがコラボすることによりみんなが良くなるんだということがだんだん分かってきた。
「ロケ地活用」
そういうことをテーマに実は「種まく旅人」という映画を淡路島で現在制作中で,、他にもたくさんの映画のロケ地になっている。
ただ淡路でのロケが多いのは沖縄いくのは大変だが淡路ならすぐにいけるという、よその代用品として使われている。それではいけないのでそういうロケ地になったところを淡路の為に活性化し活かしていこうと「種巻く旅人淡路島編を淡路島の活性化に活かす会」というのを作った。
皆さんこうして淡路島と若干のご縁が出来ましたのでとりあえずご検討下さい。笑
「ふきもどしの名刺」
私の名刺はふきもどしというおもちゃで出来ている。正式な名称は巻き取りという玩具ですね。この玩具が実は生産しているのが日本で2社しかなく、淡路島と寝屋川の2社しか作っていない。
この2社が無くなるとmade in japanが消えてしまう。
そういう中で日本吹き戻し保存協会を作り、これを名刺にして人々に配っている。年間ニ千本くらい配る。つまり年間に二千人くらいと会い、淡路島の情報を発信している。
名刺というのは感じで書くと、名前を刺すと書く。名前の紙とは書かない。私はこれを胸ポケットにいつも刺すのでこれが本物の名刺である。
ということで時間が来てしまいました。機会があればまた淡路に来て淡路の魅力を語らせてください。ありがとうございました。
3グループに分かれ「淡路島で今から着手出来るビジネス機会を考える」というテーマで、グループ内でアイディアをブレインストーミング…その後グループごとに発表いただきました。
A班 情報発信ビジネス
B班 観光サービス業
C班 観光業
外国人を呼ぶだけでなく、すんでいる人のスキルをあげるという面でも良いのではないかと思い観光業ということでまとめた。
淡路シネフォト 木村様より総括を頂きました。
実は私は現在淡路観光協会の副会長をしているので淡路島と縁もゆかりも無い方に、こういったアイデアを考えていただいてありがたく感じている。
「A班の情報発信ビジネスについて」
現在私はいかにお金をかけずに淡路の情報発信を出来るかということを一生懸命考えている。本来はお金をかけなければいけないのだが、情報発信する側はなかなかそこにお金をかけようとはしない。もう少しアイデアを揉んで、費用対効果が分かればチャンスかもしれない。
「B班の観光サービス業について」
環瀬戸内という発想は非常にいいと思う。自分たちのエリアにだけフォーカスせずに他のエリアともコラボして周辺も含めて良くなれば、仮にスタートが淡路島であってもよそにもお金が落ちていくし、そういう意味ではすごくすばらしいと思う。
観光ガイドに地元の人を使うというのはすごく良いアイデア。淡路の人がガイドをすることにより地元をよく知り、愛情を高めていくというのは価値のある事だし、人材育成に繋がるので非常に良い。
「C班の外国人をターゲットにした観光業」
外国人を呼びたいと思っているし、実際そういう動きをしている。子供たちも異文化にふれ、地元の文化水準も上がる。そういう意味では観光というのは総合産業だと思っているし、観光をはずした行政は考えられない。観光は国策だと思っているので外国人のターゲットもどんどん呼び込んでいきたい。現在淡路島へのアクセスは便利がいいが、淡路に入ってからの公共交通機関には若干課題が残るのでそこは解決していきたい。
古民家利用については当然有効活用しないといけないが、本当の古民家は利用が建物の強度や許可の問題があるので、その辺の課題をクリアしていきたい。
淡路の観光資源は何と言っても海だと思う。特に中国など大陸の方は海を知らないので海を活用して喜んで頂く観光客に対するサービスが出来るのではないかと思っている。
「最後に」
今回淡路島をテーマをしていただいて本当にありがたいく感じている。現在淡路島は人口が13万7千人、30年前から3万人も減っている。そういう意味では淡路は最大の危機を迎えている。
そこで皆様に質問ですが皆様の住んでおられる町、人口ご存知ですか?得てして自分の足もと、ご自分の街知らないことが多いと思う。
こういう機会を通して自分の足もとを振り返ることが重要で、それにより地元を愛し、本当の意味でよいコラボが出来ることを願っている。